先生と生徒


啓太の口から出た言葉に動揺する。


…お母さん、亡くなったんだよね…
啓太、こんなに小さいのに…


「あ、違ったっ!マキだっ」


と、先程の言葉を消し、私に笑顔を見せてくれた。


「啓太、おいで?」


「何っ?」


嬉しそうにこちらに来てくれた啓太をギューッとした。


「啓太…啓太は男の子だね」


「?そうだよー」



「偉いね、啓太はっ」



「そうなの?」



「そーうっ」


と言ったのと同時に更にギューッと抱き締めた。


「マキ、苦しいーっ」


「へへっ」



「でも、気持ちいいっ」


と、啓太の小さな手が背中に回ってきた。


小さいけど、啓太は頑張ってるよ。


お母さんの亡くなった事をしっかり受け止めて、頑張ってる。
私も頑張らないとね…

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