先生と生徒
後ろから良くんの声。
「良が遅いからでしょっ」
「いーや、華がマキちゃんめがけて走って行くからだろ?」
「追いかけてくれりゃ、いいじゃんっ」
「面倒じゃん」
目の前で言い合いをする華たちを微笑ましく見ていたら。
「今のうち♪」
と、和也に言われ、言い合いをしている華たちに気付かれぬように、サッとその場から逃げた。
「あっ!マキ」
「和也っ!!」
背中越しに華たちの声を聞きながら、学校へ向かって走った。
「っあー!走った走った!」
「和也、速いんだけど…」
「マキが遅いのー」
「和也が速いだけじゃん!」
先程の華たちみたく、言い合いをしながら、学校へ入った。