先生と生徒
「こーれっ♪」
と、指差すものは左手の指に光る指輪。
「あ、これ…ね」
「まぁ良かったじゃん?」
「そだね…♪」
多分、華はホッとしたんだと思う。
私が、幸せそうだったから。
指輪をはめて、お泊まりもして。
笑っていたから。
だから華は嬉しそうにしてくれたんだと思う。
…でもね、華?
私の心の中はすごく、違う事を思ってるよ?
華の嬉しそうな笑顔を前にして、この気持ちを話すことはないけど。
結局は華をも傷つけたんだよね?
何も聞かずに、ただ側にいてくれた華も、傷つけたんだよね?
私って、最悪だ…
動揺を隠しきれない瞳に映るのは、華の嬉しそうな笑顔。
戸惑いの奥は、闇。
闇が晴れる時、私の隣には誰が笑ってる?