先生と生徒
第10話 中西の真実<前編>
「酒井、ちょっと来い」
1日の授業が終わりに差し掛かる、6時間目の授業前。
担任に呼ばれた。
「マキ、何かしたの?」
一緒に話していた華は不安げにこちらを見る。
「何もしてないけど…行ってくんねっ」
華にそう告げ、担任に近づいた。
「先生、何か用ですか?」
「や、用ってもんではないんだが、大変な事になった」
「大変な事?」
「お前は中西の姓だっただろ?」
「…はい」
担任は私の身の上を知っている。
まぁこの担任は信用あるしねっ
「中西のとこの社長、ともかくお前…や、酒井の本当の親父さんが倒れたそうだ…」