先生と生徒
「ありがとう♪」
目の前にあるピンクのクマのキーホルダーを手にとりながら和也にお礼を言った。
「さすがに経験なくても男が買わなきゃカッコつかないしね?」
雑貨屋を出て、腕を伸ばしながら和也は言った。
「そりゃそっか」
「だろ?」
そして離れていた手は自然と繋がれていた。
「和也、まだ私分かんない」
「いきなり、何?」
「まだ、好きなのかはっきりとは分からないけど、」
「けど?」
「多分好き。
だから、話してくれてありがとう…」
和也の目を見てそう伝えた。
「…今度はこっちが照れるんですけど…」
「仕返し♪」
「何をーっ!?」
まだはっきりとした気持ちは分からなかったけど、和也にはたしかに惹かれていたんだと思う。
今、ピンクのクマは失った指輪を探してるよ?
和也。ごめんね…