先生と生徒
「華ちゃんが泣きながら良のところ来てさ?あ、さすがに最終日だからって言って良がいたんだけどな…
それで、先に体が動いちゃってな…」
苦笑しながらも私に向けてくれた微笑みは、いつもの和也だった。
「…俺はもうマキの涙、拭いてやれねぇけど。
マキも何か言わなきゃならないんじゃないか?…大切な友達だろ?」
「…うん…っ」
「なら、行っておいで?ちゃんと、マキの言葉で伝えてやれ?」
「和也…ありがとう…」
――どういたしまして♪
和也の声を聞きながら、教室を飛び出した。
和也にも酷いことをした。
傷つけた。
なのに、まだ優しく笑いかけてくれる…
ありがとう、和也―…
ごめんね…和也―…