先生と生徒
―…ありがとう、華
そう言うと、華は笑顔で、
"私らの間で遠慮はなし!!またいつでも相手になるよ!"
そう言って教室を出た。
華に話せて良かった。
そう思って私も教室を出た。
「……友情は確かめ合えたか?」
出た瞬間、声がした。
声のするほうを見ると、壁にダルそうにもたれかかっていた、先生。
「…先生?!何でいるんですか?」
「何で?じゃないだろ!!…放課後の学習だっ」
「…あ…、」
「…今日はたっぷりあるぞ?」
「先生も暇ですね?」
「…何か言ったか?」
「いいえ、何も」
私に見えた、一筋の光。
些細なことがすごく嬉しい。
和也と別れてまだ少し。と言うか1日。
軽い女かも知れない、酷い女だと思う。
それでもこの気持ちに嘘は、ない―…。