先生と生徒



―…ありがとう、華


そう言うと、華は笑顔で、
"私らの間で遠慮はなし!!またいつでも相手になるよ!"
そう言って教室を出た。


華に話せて良かった。

そう思って私も教室を出た。



「……友情は確かめ合えたか?」


出た瞬間、声がした。
声のするほうを見ると、壁にダルそうにもたれかかっていた、先生。



「…先生?!何でいるんですか?」


「何で?じゃないだろ!!…放課後の学習だっ」


「…あ…、」


「…今日はたっぷりあるぞ?」


「先生も暇ですね?」


「…何か言ったか?」


「いいえ、何も」



私に見えた、一筋の光。
些細なことがすごく嬉しい。

和也と別れてまだ少し。と言うか1日。
軽い女かも知れない、酷い女だと思う。

それでもこの気持ちに嘘は、ない―…。

< 296 / 303 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop