先生と生徒



「そうだね…」

先生夫婦を見ながらそう呟いた。


「…俺も子ども欲しいな…?」

と、私に同意を求めてくる和也。

「……順番、来たよ?」

軽く話を流して、注文をする。

和也をチラッと見てみると、少し不機嫌そうな顔。

…流したの分かったかな、やっぱ。

素直に"欲しいね"、って言えば良かったのかも知れない。けど、そうしたらこれからもずっと和也の側にいることを肯定しているような答え方になってしまう。

嫌ではないけど、まだそこまでの気持ちが…ない。

だから話を流したのだ。


「…そこでいい?席」

注文が終わったらしいので、和也はこちらに来る。

さっき和也が注文しているときに私が席を取っていたから。

「ん、てか…マキが何食べたいのか分かんなかったから、俺と一緒にしようかと思ったけど」


「けど?」

「…やっぱ、男と一緒じゃなって思って、これにしたんだけど、これで良かった?」


目の前にあるのは普通のハンバーガー。

基本的に何でも良かった私は、

「ありがと、」

そう言った。


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