先生と生徒


和也は私と向かいあっていて後ろが見えないからいいけど、私の目の前には、


「ん?マキどうした?…って、早いよ、親父…」

「嫌、だってな?お前一言も言ってないじゃないか…

というか、部屋に行きなさい。」

少し照れたような顔をした和也のお父さん。

「んじゃ、部屋行く?」

「うん…あ!

初めまして、酒井です」

挨拶はしとかないとね!
礼儀は必要だし…

「どうも、息子が世話になって…」

「や、そんな…!」

どっちかというと私のほうがお世話になってたり、ね?

「マキ、部屋行くぞ?」

これまた少し照れた和也は部屋に行くように手を引く。


「ゆっくりしていってね」


リビングを出る前にお父さんからそう言われた。

「あ、はいっ」


返事をして和也の部屋に行く。

< 37 / 303 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop