先生と生徒
和也は私と向かいあっていて後ろが見えないからいいけど、私の目の前には、
「ん?マキどうした?…って、早いよ、親父…」
「嫌、だってな?お前一言も言ってないじゃないか…
というか、部屋に行きなさい。」
少し照れたような顔をした和也のお父さん。
「んじゃ、部屋行く?」
「うん…あ!
初めまして、酒井です」
挨拶はしとかないとね!
礼儀は必要だし…
「どうも、息子が世話になって…」
「や、そんな…!」
どっちかというと私のほうがお世話になってたり、ね?
「マキ、部屋行くぞ?」
これまた少し照れた和也は部屋に行くように手を引く。
「ゆっくりしていってね」
リビングを出る前にお父さんからそう言われた。
「あ、はいっ」
返事をして和也の部屋に行く。