先生と生徒
「へ?」
和也の思いも寄らない発言に間抜けな声。
「へ?って別れ話じゃないの?」
「…違うよ?」
そう言った瞬間、和也はすごく大きなため息を放った。
「はぁーーっ!!良かった…」
「か、和也?」
「マジで良かった!!
昨日の電話の様子、おかしいしさ、今日も元気ないしさ?すっげー心配でさ?別れ話かと思って…それでなんか悲しかったからさ…」
「…和也…」
さっきの悲しい笑顔の裏にはこんな理由があったんだね?
そう思うと更に愛しくなった和也をギュッと抱きしめた。
「マキ?」
「別れないよ?…こんなに和也が愛しいんだもん」
抱きしめた力を強め、和也に言う。
「…俺、どっかで不安だったんだ?
付き合ってるけど、俺の一方通行じゃないかって」
「…バカ」
優しく呟いて重なる唇。
甘い甘い時間。
愛しく思った瞬間。