先生と生徒
「あ!マキーっ!」
バッと部屋の扉が開いて、見えたのは啓太の嬉しそうな顔。
「啓太!リビング行っとけ?」
「やーだっ!マキと話すもん」
「ありがとう、啓太。
一緒にリビング行こっか?」
「マキ!」
「和也も。行こ?」
「お兄ちゃん、早くーっ!」
「分かったよ、今行くから引っ張んな!」
笑えない私には啓太の存在が助かった。
こんなことに可愛い啓太を利用して、とことん最低な私。
でも、こんなことはまだまだ序の口だった。
「マキ、早く!」
「はいはいっ」
今、ちゃんと笑えてるかな…