先生と生徒
啓太の後ろ姿を見ながら和也の声。
「ん?何…?」
心配そうな、悲しそうな顔。
「…部屋、行こ?」
「ん…」
啓太の"マキ!!次は遊んでねっ"なんて声を聞きながら、和也の部屋に向かった。
「…マキ、何かあったろ?」
「何か、って…
何もないよ?」
出来るだけ和也の目から視線を外して答える。
「俺って、頼りない?」
「へ?」
「…何か、そんな気がしたから」
「そんな事ないよ?和也のことは頼りにしてる」
今度はちゃんと和也の顔を見て、ハッキリそう答えた。
「…じゃあ、何悩んでんの?」
「………」