先生と生徒
「…そんなこと言ってもらえてすごく嬉しい」
「…マキ、こっち」
そう言われ、腕を捕まれた。
「っえ?」
「…もうちょっと色気ある声出せよ?」
「うっさいっ!」
「ま、そんなとこがマキだからな?」
意地悪な笑顔を浮かべ、今度は和也の手が私の頭を撫でる。
「…何か変な感じ」
すごく落ち着く。
あんなに一人で考えていたけど、和也の温もりに包まれていると何もかも安心出来る。
「そう?
って、俺も結構緊張して変な感じ」
「…へへ」
「可愛い…」
次々と降ってくるキスの甘い誘惑に、私はすっかり忘れていた。
「…悪かった」
ここが和也の家だということを。