【短】星に願いを…
私は真っ赤になった顔を隠すように、顔を星たちが輝いている空に向けた


「そうかな? 私は星が消えてしまうこと、儚いなんて思わないな」



星空を見上げたまま、そう静かに言った



「え? なんで?」



不思議そうに私を見る彼の顔が彼の方に顔を向けなくても伺える



私は、あの頃の自分を思い浮かべながら言った




「確かに、星が消えてしまうことは儚いよ? でもね? 私…こう思うんだ。 星たちは命が尽きるまで一生懸命光ってた…って」



私の口にしたことに彼は聞き耳を立てている



「それに……」



急に言葉に詰まった私にあなたは私の手を優しく包んでくれた



あなたの大きくて、温かい手で…


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