ツンデレちゃん
6時。
俺は下駄箱を背もたれにして座って美和を待っている。
そろそろ来るかな、と思っていると、
誰かが歩いてくる音が聞こえた。
「あははっ!優斗君面白い!」
『そんなに笑うなよ!でさー、…』
美和と、イケメンで優しくて人気者の新井 優斗が楽しそうに話していた。
美和、俺といるときあんなに笑顔見せない。
あんなに楽しそうにしない。
心のどこかで思ったいた、でも気づかないふりをしていた。
俺って―――――――――――
耐えられなくなって、そっと出た。
ほんと、女々しい奴だ、俺は。
重い足取りで、一人で家に帰った。
そっと出て行った様子を美和が見ていたとは知らずに…。