ツンデレちゃん

6時。

俺は下駄箱を背もたれにして座って美和を待っている。

そろそろ来るかな、と思っていると、

誰かが歩いてくる音が聞こえた。

「あははっ!優斗君面白い!」

『そんなに笑うなよ!でさー、…』

美和と、イケメンで優しくて人気者の新井 優斗が楽しそうに話していた。

美和、俺といるときあんなに笑顔見せない。

あんなに楽しそうにしない。

心のどこかで思ったいた、でも気づかないふりをしていた。

俺って―――――――――――

耐えられなくなって、そっと出た。

ほんと、女々しい奴だ、俺は。

重い足取りで、一人で家に帰った。

そっと出て行った様子を美和が見ていたとは知らずに…。


< 4 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop