ストロベリーチーズケーキアイス・kiss~甘酸っぱい恋の味~
数分後、だいぶ落ち着いてきたあたし。
「ねぇ、ここは?」
「俺が住んでるアパートの部屋」
どうやら、さっきの空き地はコンビニに行く時の通り道にあるらしく、偶然通りかかって助けてくれたらしい。
「俺が通らなかったら、お前今頃どうなってたか…」
「ごめんなさい」
「なんか、あったのか?」
そう聞かれても理由なんて言えなかった。
「うぅん。なんでもない。助けてくれてありがとう」
深々と頭を下げると照れたように「おっ」とひとこと。
少しの沈黙が落ち着かなくてソワソワした。
「ねぇ、家族は…?」
よく見たら1人暮らしっぽいスッキリとした部屋。
聡くんしか住んでないのか疑問に思った。
「…1人。俺だけだよ」
だから気にするなと立ち上がる。その横顔は、何も聞くなと叫んでいるような気がしてあたしは聞いてはいけない気がして言いかけた言葉を飲み込んだ。