ストロベリーチーズケーキアイス・kiss~甘酸っぱい恋の味~
何も答えられなくて、黙ってばかりのあたし。
「分かった。じゃあ、もう家に帰った方がいい。家の人、心配するだろう?」
俺が送るよと立ち上がる彼の腕をギュッと掴んだ。
「…ダメーー!!」
「恵里佳?」
「ダメ…帰れない…家には、帰れないよ…」
聡くんの腕を掴んだ手が震えだした。
いま、あの家に帰ることはできない。
だって、きっとお姉ちゃんがいるから…。
妹に裏切られて傷ついてる、お姉ちゃんがいるから。
「ヤダ…帰れない。帰れないよ…」