ストロベリーチーズケーキアイス・kiss~甘酸っぱい恋の味~
「恵里佳にね、会わせたい人がいるんだ」
幸せそうな照れた顔で、姉がそう言ってきたのは、あの日から1ヶ月が過ぎた頃の夏休みのある日。
姉が会わせたい人が先生だということは、すぐに分かった。
だけど、あたしは何も知らないフリをした。
「えっ?誰?お姉ちゃんの彼氏?楽しみだなぁ」
よくこんな言葉が出てきたものだと、自分でも呆れた。
本当は、そんな日なんて来なきゃいいって思ってるくせに。
あたしは、気づかないうちにいつの間にか、嘘が上手になっていた。
お姉ちゃんが幸せなら、それでいい。
無理やり、自分にそう言い聞かせていた。