ストロベリーチーズケーキアイス・kiss~甘酸っぱい恋の味~
ゆっくりと唇が放れると、聡くんは、もう一度あたしを胸に抱き寄せた。

聡くんの胸に頬を寄せると、彼の鼓動がドキンドキンと伝わってきた。


その音に耳を澄ますと心が優しいぬくもりに包み込まれたようであったかい。


このまま、聡くんに甘えて本当にいいのか分からない。


本当は、あたしは聡くんを突き放すべきかもしれない。



けど、いまのあたしには、それができない。

このまま、聡くんのぬくもりを感じていたい。


それがどんなに酷いことだとしても、一人になれるほど、今のあたしは強くはなく、弱い人間だ。



「ごめんね…聡くん」

利用して、ごめん。


心の中で何度も謝るあたしを、聡くんは何も言わずにギュッと抱きしめた。
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