ストロベリーチーズケーキアイス・kiss~甘酸っぱい恋の味~
「けど…」


なんて言っていいか分からなくて言葉に詰まり、あたしは黙ったまま俯いた。


「そんな顔すんなよ」なっ?と明るい笑顔を向ける聡くん。


「それとも、恵里佳。俺がお前を襲うとでも想うか?」


急にマジメな顔でそう聞かれて、驚きながらも「うぅん。想わない」と答えた。


けど、そう答えた瞬間、ほんの数分前に聡くんとキスしたことを思い出して、あたしは思わず自分の唇を手で抑えた。


「どうした?」


「思わないけど…」


「けど、なに?」


「さっき…キスした…」


唇抑えたままボソッと言うと、聡くんの顔が真っ赤に染まっていった。


そして「それは、その…」と何かを言おうと考えてる聡くんが、なんだか可愛く見えて思わずプッと吹き出して笑ってしまった。


「なっ、笑うなよな」


そうイジケル聡くんに、笑ってごめんねと謝ると、いいよと照れくさそうに笑った。

そして、聡くんの手があたしの肩に触れると、そのまま、フワリと抱きしめた。


トクン…と高鳴る鼓動。


「恵里佳…俺、ホントに恵里佳が好きなんだ。だから…」



そう言いかけると、あたしから、ゆっくり離れた聡くん。


「お前が、俺のこと、ちゃんと好きになるまでお前に手は出さない」


真剣な眼差しであたしを見つめ、約束すると話す彼。


「だから、早く俺を好きになれ」と冗談っぽく話す彼の言葉に胸が切なくズキンと痛んだ。

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