ストロベリーチーズケーキアイス・kiss~甘酸っぱい恋の味~
この日の夜、あたしは聡くんの部屋に泊まることになった。

夕食は、冷蔵庫には何も野菜や材料がなかった為、聡くんが買い置きしていた二つのカップ麺をそれぞれ一個ずつ食べることになり、あたしは、醤油味のカップ麺をありがたくいただいた。


小さかった頃の話をしながら笑いながら2人で食べたカップ麺は、なぜだか、どんな料理よりも一番美味しく感じた。


カップ麺を食べたあとも、一緒にテレビを見ながらたくさん笑った。

ほんの数時間前に死にたいくらい哀しくて苦しくて切なくて、心が壊れてしまいそうだったのに


いまは、こうして笑ってる。


人間の心って不思議だ。どうしてこんなに笑えるんだろう?


けど、それは、きっと聡くんのおかげ。彼がいなかったら、あたしはきっとボロボロだった。


生きていくのも、イヤになるぐらい。ボロボロだった。


聡くんがいてくれてよかった。


そう感じた気持ちは、いつしか、彼を好きになれたらいいなと思っていたことに、あたしは心の片隅で感じていた。
< 155 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop