ストロベリーチーズケーキアイス・kiss~甘酸っぱい恋の味~
突然鳴り響いたインターフォンの音で、言うタイミングを逃したあたし。


お姉ちゃんは、何も言わないまま玄関に向かった。



その様子に、お姉ちゃんが想像以上に怒っているのを思い知らされた。


今まで、お姉ちゃんは喧嘩しても、あたしを無視したことはなかった。


さっきみたいに、何も言わないまま、あたしの前を通り過ぎていくことなんて一度もなかった。


あたしの考えが甘過ぎた。


「どうしよう…」

今更ながら、自分が犯してしまった罪の重さを思い知らされ体中がブルブルと震えているのに気づき、震える左手を、同じように震える右手で爪の跡が残るほどキック握った。


すると、玄関が開く音と、お姉ちゃんが誰かと話す声が聞こえてきた。


その声をボンヤリとした意識の中で聞いていたあたしの耳に


「…ゆうちゃん」


そう、あの人の名前を呼ぶお姉ちゃんの声が聞こえた。


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