ストロベリーチーズケーキアイス・kiss~甘酸っぱい恋の味~
トクン…と、心が反応しているのが分かった。


どうして、こんなに朝早くにあの人がうちに来るのだろう?


もしかして、あたしがあの人にキスしたことを知られた?


うぅん。あの時、確かにあの人はグッスリ眠っていたはず。

それとも、本当は起きていた?

まさか。起きていたら、あの人のことだから、きっと飛び起きて、あたしに何してるんだと怒るはず。


なにも飛び起きて怒らなかったのは、やはり眠っていたからに決まっている。


なら、もしかして、お姉ちゃんがあの人に知らせたとか?


うぅん。


いくら、お姉ちゃんが怒っているとしても自分の彼氏が妹にキスされたなんて誰にも知られたくないはず。


なら、どうして…?


まるで、出口が見つからない迷路に迷い込んだみたいだ。


頭が痛い…。なんだか、具合悪くなってきた…。

今にも倒れてしまいそうな体を少し壁に持たれかけて頭を抱えていると


足音が近づいてきて、あたしは慌てて壁から離れて背筋を伸ばして姿勢を整えた。
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