ストロベリーチーズケーキアイス・kiss~甘酸っぱい恋の味~
「あぁ、ごめんな。こんな朝早くに来たりして」

頭を掻きながら小さくペコリと頭を下げた先生に「いえ…それより、風邪、もう大丈夫なんですか?」と聞くと、もう治ったよと満面の笑顔。


「それより、きのうはありがとうな。看病してくれて」おかげで治ったよと言われて「いえ」と呟いた。

正直、先生はいま一番会いたくなかった人。


先生が寝ていて何も知らなくても、あたしの心は、あたしの唇は、先生にキスした時の瞬間を覚えてるから。


その胸の高鳴りを、先生の唇の感触を、嫌になるぐらい覚えてるから…。



恥ずかしくて、先生の顔を見れない。


とにかく、ずっと先生から視線を逸らした。


その様子が先生には、あたしがまだ眠いと感じたようで。

「ごめんな。出かける準備すんだら出て行くから。まだ眠たいんだろう?ゆっくり眠れよ」


そう冗談っぽく言われたけど、出かける準備ってなに?

「えっ?どこか行くんですか?」

「あれ?まだ聞いてなかったのか?」

そう聞かれて、はいと答えると「あたしが話すわ」と、お姉ちゃんが現れた。



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