ストロベリーチーズケーキアイス・kiss~甘酸っぱい恋の味~
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「ごめんね、急に無理言ったりして」


「いいよ。お泊りって楽しいじゃん」


お姉ちゃんが出て行ってから数分後、あたしは誰もいなくなった家の中でポツンといるのが耐え切れなくて。


「由希ぃ、寂しいよう」


半泣きの声で電話をした。


「何かあったの?」と、聞かれて何て言っていいか分からなくて泣いてばかりいたら「今から行くよ」と言ってくれた由希に連休が終わるまで泊まりに来てと頼み込んだ。


由希は、理由を聞かないで「いいよ」って、ボストンバックを片手に泊まりに来てくれたのだ。



由希は何度かあたしの家に遊びに来てたけど、泊まりに来るのは今回が初めて。


「これ、家から適当に持ってきたぁ」



そう言って、おもむろにボストンバックから取り出したのはスナック菓子や、甘そうなチョコのクッキーやカップケーキなど。


うちのお母さん、甘いもの好きだから家にたくさんあるんだと笑いながら出すと「はい、食べな」泣きたいときは、甘いものがいいんだよと、チョコクッキーを渡してくれた。


由希の優しさが伝わってきて、既にあたしの瞳は涙で濡れていた。



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