ストロベリーチーズケーキアイス・kiss~甘酸っぱい恋の味~
あたしだって、素直になりたい。

聡くんに好きだって伝えたい。

けど…。


「あたし、お姉ちゃん傷つけたんだよ。ひどい事したんだよ。それなのに…いいのかなって…」



聡くんに気持ちを伝えたら、きっと、あたしは幸せな恋ができるような気がする。

だって、聡くんは、他の誰でもない。



あたしの事を好きになってくれたんだ。


あたしを、好きだって、言ってくれたんだ。


これって、あたしにとっては凄く大きなこと。


初めて、自分のことを必要としてくれる人に出会ったような


特別な出来事なの。


「あたしね、聡くんのそばにいたい。一緒に、いたいんだ。だけど、お姉ちゃんが…」


堪えきれなくてポロポロと溢れ出してきた涙。

由季は、あたしの背中を撫でながら恵里佳の気持ちはちゃんとお姉ちゃんに伝わってるはずだよと慰めてくれた。


「恵里佳は、ずっと辛い恋をしてきたんだから、もう、幸せになっていいと思うよ」


「いいのかなぁ?ホントに、いいのかな?」

「当たり前じゃん」


由季はそう言うと、素直が一番と言ったあと、それが一番難しいんだけどねと苦笑い。


涙でグチャグチャな顔でホントだねと笑った。

素直になるのが一番難しい。

けど、素直にならなきゃ本当に幸せにはなれない。

「あたし、素直になるよ」


そう由季に伝えると由季は、うんと満足そうに笑った。


由季がいてくれてよかった。あたし一人じゃ、乗り越えられなかったよ。


いつのまにか寝ていた由季にありがとうと呟いた。

もうすぐ、夜が明けるよ。




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