ストロベリーチーズケーキアイス・kiss~甘酸っぱい恋の味~

「なんで分かんないかなぁ」と焦りだす男が、なんだか気の毒に思えてきた。

「分かった。思い出せばいいんでしょう?」



そう言うと、消えていた人懐っこい笑顔を取り戻し「オォ!!」早く思い出せよとキラキラと瞳を輝かせ始めた。



その瞳に、見覚えがあった。



あれ?いつだっけ?どっかで見たことある。



頭の中の記憶を辿ると、幼い頃に同じような瞳で笑う男の子の顔を思い出した。



「もしかして…さとし…くん?」



名前を言った瞬間、キラッと輝きを増す瞳。


ヤッパリそうだ。


「同じ幼稚園に通ってた、西沢聡くん!」


「そう!!やっと思い出してくれた!!」


満面の笑みで嬉しさを現す聡くん。

何年振りだろう?幼稚園の頃、よく一緒に遊んでいた彼だったけど。

卒園と同時に彼は他県に引っ越してしまい、それ以来会ってなかった。



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