ストロベリーチーズケーキアイス・kiss~甘酸っぱい恋の味~
「ったく。冗談ばっか言って。そういうとこ、変わってないねぇ」
懐かしいなと昔の記憶にほっこりしていた。
だから、気づかなかった。
彼が、聡くんの瞳が、悲しみの色に染まっていたことを。
「別に。冗談で言ってないけど」
ポツリと呟かれたその言葉。
「えっ?何か言った?」
あたしはちゃんと聞いていなかった。
「別に。なんでもないよ」
そう言うと、彼は再び明るい笑顔を見せてどこかでゆっくり話さないかと、人でごった返してる店内をキョロキョロと見渡した。