ストロベリーチーズケーキアイス・kiss~甘酸っぱい恋の味~

とにかく離れてと、聡くんから無理やり離れた。


「チェッ。いいじゃん。もう少しぐらい。久しぶりの再会なんだからさ」

「だからって抱きつかないでよ」


そう言うと唇を少し尖らせて拗ねる聡くん。


なんだか子供みたいで可愛い。



それに、なんだかあの頃に戻った気がして不思議な感じがする。



「よかった。聡くん。変わってなくて」



屋上のフェンスを背に寄りかかり、空を眺めた。



聡くんもあたしの隣で同じように空を眺めている。


「あのさぁ」


「うん。なに?」



「俺…そんなに変わってないかな?」


ポツリと呟いた聡くんの言葉に、あたしは何も考えず、ただ「うん」と頷いた。

実際、そう思っていたのは確かだったから。


けど…。




< 53 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop