ストロベリーチーズケーキアイス・kiss~甘酸っぱい恋の味~
「誰だ?うん?教えてくれないのか?」
「ううん。教えるよ」
「そっかぁ。誰だ?」
「うん。あのね、先生だよ」
「へっ?」
一瞬、先生の周りの空気が凍りついたのを感じた。
横目で先生の顔を見ると、ハンドルを握ったまま顔が強張っているのが分かった。
「聞こえた?」
あたしは意地悪な口調で言い続けた。
「あたしが好きなの、先生なんだよ」
先生の瞳が大きく見開きキョロキョロと落ち着かなく揺れている。
「せ…んせいって、誰だ?どの先生が好きなんだ?」
認めたくないんだね。それが先生のことだって。
ならちゃんと教えてあげるよ。
「深澤祐介先生だよ。せ・ん・せ・い」
動揺で大きく揺れる先生の瞳があたしを悲しげに見つめた…。