ストロベリーチーズケーキアイス・kiss~甘酸っぱい恋の味~
多分、この日のあたしは誰が見ても変に思えただろう。
家族揃っての食事中、あたしはいつも以上に喋りまくった。
バスケの授業中に転んで捻挫したことや、聡くんがあたしを抱き上げて保健室に連れていこうとしてくれたこと。
あの人が…先生がそのあとあたしを抱えて車まで運び、病院まで連れて行って家まで送ってくれたことも。
どうせ、全部知られてるはずだから。
家族に。お姉ちゃんに…。
黙ってるより、明るく「参っちゃったぁ」なんて冗談ぽく笑って話した方がずっといい。
お姉ちゃんと先生が付き合っていることは、両親も知っているんだ。
つまり親公認の仲。
将来結婚の約束をしてることも知ってる。
今更、あたしがもがいてもどうにもならないことなんて
あたしが一番、知っているんだ。