ストロベリーチーズケーキアイス・kiss~甘酸っぱい恋の味~

その日は、朝から雨が降り続け、家の前に大きな水たまりがいくつも出来ていた。


はぁ…いよいよきょうか…。




きょうは、先生がうちに来る日だ。



重たいオモリがズシリと心を陣取って体中が重くてたまらない。



右足はまだギブスをつけたまま。




学校の行き帰りは家族の誰かが送ってくれるけど、一回だけ帰りに誰も来れなくて


また先生に送ってもらったことがあった。




あたしが先生に告白してから初めての2人きりの空間。



狭い車内であたしは心苦しさと息苦しさを感じていたのに、先生は、いつもと変わらない余裕のある態度を最後までとり続けた。


まるで、告白のことなんて何もなかったように。



いずれ、この人はあたしのお兄さんになる。


だから、これでいいのかもしれない。


このまま、全てがなかったことになってくれればいいのにな…。



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