ストロベリーチーズケーキアイス・kiss~甘酸っぱい恋の味~

「ねぇ、いいの?」

先生が来る一時間ほど前。お姉ちゃんがいきなりそう聞いてきた。


「なにが?」


「なにがって…ゆうちゃんが、うちに来るの。恵里佳、嫌がってたじゃない…。

恵里佳が嫌なら、今からでもゆうちゃんに言って…」


「いいよ!」

「えっ?」

「いいよ。呼んでも。

あたしも、いい加減大人になろうって決めたの。


だから、先生があたしの義理のお兄さんになっても別にいいよ」


だって、反対してもいつかはそうなるんでしょう?


もう、いいよ。
いっそのこと、思いっきり苦しめて楽にしてよ。


その方がよっぽど楽だよ。


作り笑いがバレてなきゃいいなと思いながら笑うと、お姉ちゃんも嬉しそうに笑った。



その笑顔がズルイと思った。

傷つけたくないって想っちゃうじゃない…。



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