ストロベリーチーズケーキアイス・kiss~甘酸っぱい恋の味~
「お邪魔します」
先生は、片手にお母さんが好きなケーキ屋の箱と実家から送られてきたという包みを持って現れた。
「両親が、よろしくお伝えするよう言っていました」
珍しく緊張した面持ちで。あたしの両親に挨拶した。
もう、先生の両親まで知ってるんだ。
あたしの知らないところで大人達の話はいったいどこまで進んだんだろう?
チラリと先生を見た。すると視線が重なった。
「こんばんは。恵里佳。きょうはよろしくな」
ニカッと笑う先生の顔。
そのポーカーフェイスを崩せたらいいのにな。
「こんばんは、先生」
あたしも先生に負けないぐらいのポーカーフェイスで微笑んだ。
先生の隣には、お姉ちゃん。
何も知らないお姉ちゃんの笑顔が、あたしの心に影を落とした。