ストロベリーチーズケーキアイス・kiss~甘酸っぱい恋の味~

「別に。意外と軽かったし」


ニッと意地悪っぽく笑うのになんだかホッとした。


聡くんとの会話は、やっぱり楽しいと素直に思えた。



なんだろう?この居心地の良さは。



聡くんの前では不思議なぐらい、素の自分でいられた。



「恵里佳さぁ、平気?」


「なにが?」


「なにがって、先生のことだよ」

どうやら聡くんの耳まで先生の噂は届いていたらしい。


「あぁ…さぁ?」


「さぁって、お前なぁ~」


「仕方ないじゃん。2人結婚するんだからさ」



今更、もがいてもどうにもなんないよと苦笑い。


聡くんも「かもな」と同じく苦笑い。

あのときの気まずさは、今はどこかに消えていた。


「一緒に帰ろうか?」


「うん。いいよ」



ふと思ってみた。



あたしが好きな人が先生じゃなくて聡くんだったら、あたしは今よりもっと、ちゃんとした笑顔で笑えていたのかな…。



< 97 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop