市立第五中学校。
5番 尾野晴日
先生
明日先生が転勤するらしい
「嫌!」
青空の下、屋上
大声で叫んだ私に
隣にいる桃菜は呆れている
私、尾野晴日(14)
国語の杉田先生(27)に
恋してます
「やだよ先生ぇ…はる生きてゆけない」
優しいとこも
おもしろいとこも
笑った顔も怒った顔も
ぜんぶ好き!
去年の6月
その日は雨が降っていて
傘のない私を
車で家まで送ってくれた
「みんなには内緒だぞ」って
笑った顔が今でも忘れられない
あれ以来
国語の授業もちゃんと受けたよ
テストで満点もとったよ
凄いなって
頭をくしゃくしゃしてくれた時
心臓がはち切れそうだったよ。
こんなに好きなのに
諦めるなんてできないよ…
「…告白しようかな」
桃菜はびっくりしてから
溜息をついた
「先生が迷惑なだけだよ」
わかってる
わかってるけど
嫌だよ先生
離れたくないよ…
屋上のドアを開ける音がした
泣いているのを見られたくなくて
ドアに背を向けた。
人影は口を開いた
「尾野と寺門!ここは立入禁止だぞ」
間違いない
低いけど甘い声
先生の声だ…
「先生!」
私は顔を真っ赤にして振り向いた
すると先生は少し困った顔をして
「どうした?」
頭をくしゃくしゃした
先生の大きな手は
何だか心地好い
先生は微笑んだ
私も笑顔になれた
「先生だって入っちゃ駄目じゃん!」
「え?先生は特別だからな!」
子供みたいに笑った
先生
大好き。
「元気でね」
目に浮かぶ涙のせいで
先生の顔が霞んで見えたけど
優しく吹く風が
涙を吹き飛ばしてくれた
「ありがとな尾野」
「はる、先生大好きだよ!」
「俺も尾野大好き!」
「頑張ってね」
「おう、尾野もしっかりな」
告白したけど
先生は鈍感だから
笑顔でいてくれた
―チャイムが鳴り響く
先生は私の背中を押してくれた
「授業頑張れよ」
先生のおかげで
私、これからも頑張れるよ。
遠くても
青い空は
繋がってるからね
明日先生が転勤するらしい
「嫌!」
青空の下、屋上
大声で叫んだ私に
隣にいる桃菜は呆れている
私、尾野晴日(14)
国語の杉田先生(27)に
恋してます
「やだよ先生ぇ…はる生きてゆけない」
優しいとこも
おもしろいとこも
笑った顔も怒った顔も
ぜんぶ好き!
去年の6月
その日は雨が降っていて
傘のない私を
車で家まで送ってくれた
「みんなには内緒だぞ」って
笑った顔が今でも忘れられない
あれ以来
国語の授業もちゃんと受けたよ
テストで満点もとったよ
凄いなって
頭をくしゃくしゃしてくれた時
心臓がはち切れそうだったよ。
こんなに好きなのに
諦めるなんてできないよ…
「…告白しようかな」
桃菜はびっくりしてから
溜息をついた
「先生が迷惑なだけだよ」
わかってる
わかってるけど
嫌だよ先生
離れたくないよ…
屋上のドアを開ける音がした
泣いているのを見られたくなくて
ドアに背を向けた。
人影は口を開いた
「尾野と寺門!ここは立入禁止だぞ」
間違いない
低いけど甘い声
先生の声だ…
「先生!」
私は顔を真っ赤にして振り向いた
すると先生は少し困った顔をして
「どうした?」
頭をくしゃくしゃした
先生の大きな手は
何だか心地好い
先生は微笑んだ
私も笑顔になれた
「先生だって入っちゃ駄目じゃん!」
「え?先生は特別だからな!」
子供みたいに笑った
先生
大好き。
「元気でね」
目に浮かぶ涙のせいで
先生の顔が霞んで見えたけど
優しく吹く風が
涙を吹き飛ばしてくれた
「ありがとな尾野」
「はる、先生大好きだよ!」
「俺も尾野大好き!」
「頑張ってね」
「おう、尾野もしっかりな」
告白したけど
先生は鈍感だから
笑顔でいてくれた
―チャイムが鳴り響く
先生は私の背中を押してくれた
「授業頑張れよ」
先生のおかげで
私、これからも頑張れるよ。
遠くても
青い空は
繋がってるからね