空の色


「俺、こんな嬉しいバレンタイン初めてだ」


やっと口を開けて何を言うのかと思えば


「朝からいろいろ貰ってたじゃん」


どうしても嫉妬心が拭えない


「あ、あれな、俺のじゃなくて健吾の。あいつ今日かわいそうなことに風邪ひいて休んでただろ?」


そういえば、今日はうるさいのがいなかったな、と今になって思う


「あいつ何気にモテるからさ、渡してくれって言われたんだ」


ということは、だ


嫉妬しただけでなく、更には勘違いでもあったと


「穴を掘りたい」

「いや、どうした突然」

「穴を掘らせて」

「怖いよ、青空」


だって


「恥ずかしすぎるじゃん!嫉妬しといて、それがさらに勘違いって…」


自分の顔が熱い


今は多分真っ赤になっているんだろうな


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