空の色
「だから」
それだけ言うと空良はその長い腕で私の体を包む
「嬉しいんだってば、俺は」
トクトク、と聞こえてくる少し早い鼓動
それが少しづつ私を落ち着かせてくれる
「青空は何を勘違いしてるのかわからないけど、俺は全然モテないから」
それが空良の勘違いだって言ってるのに
まあでも、それでもこの人の腕に中にいるのは私だけ
それはきっとこれから先もずっとそう
「でもこうやって青空が嫉妬してくれるならそんな勘違いもちょっと嬉しいかも」
「何バカなこと言ってるの」
「バカは青空だよ。あんな男どもの中に入っていくなんて…」
「私こそモテないよ」
「いや、青空は可愛いよ!」
「ふふ、空良だけがわかってたらいいよ」
側から聞けば甘ったるいだけの会話は私たちの心を素直に溶かしてくれる