ありがとう、さようなら
【桜花Side】
あの子の話を聞いて、私は驚いた。
私よりも小さい体で、多くのことを抱えていたから。
あの子は、色々話してくれた。
いじめられていること、友達がいないこと、家庭に居場所が無いこと。
私は、あの子を抱きしめていた。

「つらかったんだね。
つらかったよね。
誰にも言えなくて、つらかったよね。
私が友達になっちゃ、だめかな?」
あの子は、私の胸の中で泣いていた。
「いいの?」
あの子はたずねた。
「なにが?」
「私の友達になってくれるの?」
私は即答した。
「もちろん!私が、あなたの最初の親友になってあげる。」

「ありがとう!!」

あの子は、笑顔でいった。
「私の名前は、小林桜花。小学6年生。あなたは?」
「私の名前は、鈴木真由だよ。この町の小学6年生。よろしくね、桜花ちゃん」


私達が仲良くなったのは、これからだった。
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