ありがとう、さようなら
【真由side】
「桜花、ごめん」
桜花との電話の後、私は独りきりの部屋の中で呟いた。
すべて話したい。
そう思うことがある。
けど、

このことだけは桜花には絶対に話せない。

私の黒い過去のことは。

そのことを話さないと決めたことを、私が後悔するのはずっとずっと先の話。
そして、それによって桜花が悲しむのはもっともっと先の話。
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