PALL MALL
「あたしも…お母さんも…本当にお父さんの事、待ってたんだよ。」
初めて聞かされたかすみと美優の事。
こんな俺をずっと思っていてくれた…
その嬉しさが込み上げてくると同時に、
自分の不甲斐なさが原因で、母子をツラい目に合わせてしまった…
そんな後悔も込み上げてくる。
「…ごめんな、美優。」
俺は美優と交わした約束を破ってしまった。
「謝ったらダメって言ったじゃん…。」
美優は泣きながらそう言う。
「…ごめんな。」
俺も涙が出てきてしまった。
俺が涙を拭うと同時に美優はまたタバコを取り出した。
「…ねぇ、お父さん。あたしを怒って…?じゃないとあたし…ずっとタバコ吸うから。」
そう言ってタバコに火を点ける。
「…なぁ美優。お父さんの事、大好きか?」
俺は美優に聞いた。
「…大好きだよ。」
美優は笑顔で言った。
「…お父さんも美優の事、大好きだ。」
俺はそう言って…
パァン…
美優の頬を思い切り叩いた。