PALL MALL
「…お前、何歳?」
タバコは20才からのはずだが、女の子は20才に見えない。
「18才。駄目ですか?」
女の子はニッコリ笑いながら言った。
「俺の娘がタバコ吸ってたら間違いなく叩いてるな。」
俺もニッコリ笑いながら言ってやった。
その言葉を聞いた女の子は、
「…娘さん、いるんですか?」
そんなことを聞いてきた。
「…生きてたら、お前と一緒な年だな。」
そう、俺には娘がいた。
「…死んだんですか?」
女の子の声が小さくなった。
「いいや、健康なら生きているはずさ。……まぁ、簡単に言うと離婚したんだよ。」
「えっと…あなたの浮気が原因で?」
「ははっ…そんな訳ねぇ。……俺は彼女だけを愛してたさ。」
「…だったら、なんで?」
女の子は理由が気になって仕方ないみたいだ。
「…つまんねぇ話だから聞いても仕方ねぇよ。」
あまり話したくないことだったし、何より話すのが面倒だった。
それでも女の子は、
「聞かせてください。」
引き下がらなかった。
「…分かったよ。」
女の子の押しに負けた俺は昔のことを話してやることにした。
「簡単に、それでいいだろ?」
「はい。」