PALL MALL
「まぁ、離婚の理由はそんな感じだ。」
話し終えた俺は再びタバコを取り出し、火を点けた。
「そう…だったんだ。」
女の子は下を向きながらそう呟いた。
今は…美優もこの子みたいに大きくなったかな。
この子を見ていたら、忘れることのない美優の顔が浮かんだ。
「…そのタバコは、付き合っている時から吸ってたんですか?」
女の子がそんなことを聞いてきた。
「…あぁ、そうだ。」
一言返事を返す。
「…子供が出来てからも?」
「…やめたよ。」
「奥さんは吸ってたんですか?」
「吸ってないな。」
「…そっか。」
女の子は何回か質問をして黙った。
そして、またゆっくり口を開いた。
「結婚記念日は…今日、ですか?」