王様の、言うとおり
どうしたものか、でも、まだ油断は出来ない。
警戒の眼差しを送ると、それに気付いたのか煌は振り返った。
またもや、愉しげな笑みを浮かべて。
『……菜月(なつき)。』
「……何ですか。」
『時間。気を付けてね。』
「……は?」
時間?
意味が分からない、や、遅刻しないようにって言ってる事は分かるけど……。
まだまだ時間はたっぷりあるはず……。
『忘れてるだろ。今日は県大行く部活の見送りがあるから早く来いって。因みに45分に家出ないと遅刻だから。』
ヒュルルルバン。
ペラペラと言うだけ言って、閉じられた窓。
見送り……?
45分……?