王様の、言うとおり



ビニールを剥がしてチェストの上に置くキング。




何も置かれていないシンプルなチェストの上に、空っぽの水槽。

それに今度は別のビニールに包まれて同じように段ボールに入れられていたチューブなどを取り付け始めました。

『何か本格的……。』



「2匹には大きすぎるな。」



確かに。

金魚、それも小さい2匹には大きすぎる。



でも狭いよりは全然良いと思う。



伸び伸びと過ごせるだろうから。

「菜月。」

『?、はい。』

水槽に視線を向けたまま私へ呼び掛けるキングに返事をします。



「水。運んでこい。」


『え、どこから?』




「風呂場から。」





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