王様の、言うとおり
『ここまで!?』
当たり前だと言いたいのか返事は返ってきませんでした。
……なんて重労働な事を頼まれたのでしょうか。
この水槽に8分目位まで入る水を風呂場から運んでこいと。
キングの部屋は2階。
お風呂場は1階。
重たい水を持って階段を上がって来いと……!
『な、何で水槽をここに置くのかな?』
1階に、せめてリビングとかある1階に水槽を設置してくれれば水運びも楽なのに。
「一番俺が家の中でいる場所だから。別に1階でも良いけど?金魚放置になって様子の変化に気付かなくても良いなら。」
むごい、放置だと仰りました。
「……それに。」
一度、手を止めて後方にいた私に顔を向けるキング。
「一番、ここが安全だから。リビング、より。」
『安全?』