王様の、言うとおり
ばーか、と偉そうに言うその背中を、蹴りたくなりました。
『どこに……。』
「ここ。引っ掛けとけ。」
ポンポンと叩かれたのはチェストの取っ手。
小さい引き出しの取っ手に丁度袋の取っ手を引っ掛ける事が出来ました。
水槽に入れるポンプ……と思うけれど。
それを組み立てているキングを後にして、私は水を運ぶために階段を降ります。
洗濯機の横。
青いバケツが伏せて置いてありそれを手にとりました。
これ、満杯近く入れて運んだら結構な重さになりそう。
それに私のことだから零してしまいそうだし……。
確実に、安全に運ぶためには半分くらいの量で何度も往復した方が良いと判断。
お風呂場の蛇口を捻って勢い良くバケツにへと水を入れます。
水のお陰でひんやりとした感覚が体を取り巻いてきます。
涼しい。