王様の、言うとおり
……森田くんがです。とは言えません。
『た、たまたま通った人がそう言ってて。どうせなら美味しい方食べたいなって。』
何か、森田くんと会った事を隠して言い訳してるのが悪い事をしているみたいに錯覚してきてしまいます。
まず真っ先に「余計な事言ってないよな?」と言われそう。
バレないか、変に背中に汗をかきます。
おかしいな、涼しいはずなのに。
「ふーん。あっそ。」
まだまだ尋問されると思ったのに。
今度は呆気なく興味なさそうに答えて立ち上がったキング。
パックの中にあったはしまきは綺麗に消えてしまっていました。
もう、はしまき完食しちゃったんだ……。
と、
「はい。」
立ち上がって冷蔵庫へと行ったキングが戻ってきて私に差し出した物。
『ゼリー!』
「りんごね。」