王様の、言うとおり



一瞬だけですけど。

『冷やす、じゃなくて……食べても良い……?』

「冷やした方が良いと思うよ。食べないで。」



『食べたい……。』



「食べれば?」



その言葉にフタの上に適当に付けられていた紙のスプーンを外します。

冷やすより、食べたい。



はしまきはまだ食べ掛けだけど、こっちです。



『お、美味しい……!』



久しぶりに感じるこの味!

苦労した後にこうして食べるから更に美味しさが増しているのかもしれないけれど……。

「味、大丈夫?」

『美味しいですって……え?』



答えながら、ゼリーにスプーンを突き刺したまま一度、停止。



聞き方がおかしい事に、気付きました。

なんか、おかしい。



こっちの様子を傍観しているキングは相変わらず笑っていて。





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