王様の、言うとおり
むしろ一回くらい上から潰された方が良いんじゃないかと思っていたのですが。
彼は幸運の持ち主らしく。
絞められるどころか気に入られまして。
しかもタメ口聞いてました。
恐るべし。
『ありがとう。』
奪われる私の努力。
更に悔しいのは、人の物を写したのにも関わらず。
テストではかなり優秀な成績をおさめる煌。
煌曰く「やれば出来るけど、面倒臭い。時間勿体ないから写してんの。」らしいです。
しかもただ写すだけではなく、一応自分でも確認しながらやっているらしく。
私が間違えている所は「馬鹿。」と書かれています。
間違えているのに気付いたら正しい答えに書き直しておいてよ、と思うのに。
意地悪なので答えは教えてくれません。
「馬鹿。」のみです。
そんな煌は、先生にも強いです。
「周りの生徒にも悪影響だから髪色を戻せ!」
怒鳴る先生。
周りの生徒は自分が怒られている訳でも無いのにビクつきます。
……私もですが。
なのに本人は聞こえてないかのようにキョトンと先生を見ていて。